妊婦加算の迷走に思う

 

 2018年度の診療報酬改訂で決定された「妊婦加算」が取り消されたが

半月もしないうちに復活して仕組みの再検討に入るという。 

 社会保険における政策決定とその執行が昼ご飯のメニューを変える

みたいにいとも簡単に扱われている。 

 最初の取り消しのきっかけは診療を受ける妊婦の窓口負担が増えるのは

困るということだったように思う。でも、加算分がいくらなのかはともかく、

サービスの価格を改訂(引き上げ)するのだからサービスを受ける側の支払い

が増えるのは当たり前のはずです。しかも、その70%は保険者が払い、

妊婦さんは30%にとどまるのです。なにか窓口での支払いが若干増えること

自体がいけないことなら保険の仕組みは成り立ちません。 

 支払いの原資はみんなが出し合う保険料と税金からの補助金であり、診療費

の一部(30%)を窓口で払ってもらう約束になっているわけです。みんなが

保険料の出し手であり、みんなが診療の受け手であるわけでその際の費用の

分担をあらかじめ決めておくことで「社会保険の連帯」が成り立つのでしょう。 

 元々、妊婦加算を含め診療報酬の改訂は中央社会保険医療協議会(中医協)

で審議されたもの、そこには保険者を代表する人、医療担当者、学識経験者

などがおられ、時間をかけて十分論議されたはずで、さらにそれを受けて厚生

労働省が方針決定したのではないでしょうか。先述した保険のイロハのような

ことは十分わかりきったことだといわれそうです。 

 でもなぜ間をおかずにあたかも「撤回」されたのでしょうか。 

 更に短期間に「復活」したかのごとき「再検討実施」になったのでしょうか。 

 新聞報道しかわかりませんが、「有識者会議」の審議を経てきめるとはどう

いうことなのでしょうか。

 社会保険の医療を取り決める「中医協」の存在意義は? 

 この種政策をリードする厚生労働大臣(それを支える保険局)の見識は? 

 広く意見を聞くだけでは責任ある行政はできません。 

 有限の中で政策を進める理念と勇気を念じたい。 

 

以上、限られた情報の中で言っているだけで、間違っていたらご教示ください。                    

                           (阿部 正俊)