論座への問題提起――調剤薬局の正常化 

  社会保険懇話会同人A 

2019.12.20 

医療保険制度の改革案を大上段に振りかぶって論ずる前に、日々の生活の中で、おかしい、変だな、目に余ることを取り上げ、その問題に対し、議論することから始めたい。

 

調剤薬局が、駅の近くや病院の前に軒を並べている光景は、まさに目に余る、おかしいと誰もが思っているはずである。敢えて、乱立と言います。乱立の裏には、調剤薬局が構造的に利益を生む事業になっているからではないか。 

そこで、調剤薬局に関する調査統計を調べてみると、 

ア.調剤薬局の数(57,800)が過剰になったといわれているコンビ 

ニの数(54,500)上回っている。      ---資料1 

イ.薬剤料5.5兆円に対し、調剤技術料(調剤薬局の運営経費相 

当)が2兆円に上っている。          ---資料2 

ウ.人口当たり薬剤師の数1,000人当たり1.7人で、世界で突出 

して最多である。(2位はベルギー、スペインの1.2)--資料3 

エ.公定薬価と実勢薬価に乖離(7.2%)があり、その差額(4,000 

  億円)が調剤薬局の純利益になっている。   ---資料4

 

 これらの資料(最下行の資料1~4のダウンロードをクリック)を見れば、説明するまでもなく、調剤薬局の異常ぶりが解るはずである。 

 それにもかかわらず、調剤薬局の正常化に向けた動きがぬるいのは、何故であろうか?その大きな要因の一つが、公式な議論の場である中医協が医療関係者のみによって構成され、一般の国民の声が反映されないからであろう。 

 中医協は、医薬分業を進め、調剤薬局を育成してきた立場から、調剤薬局が異常化してきたにもかかわらず、従前の流れを捨てきれず、保護的な方針を出し続けているのではなかろうか。その代表が、かかりつけ薬局を作り、そこで、薬の使用に関する指導をし、多剤投与等のチェックをする役割を増強するという。果たして、国民はそのような必要性を感じ、期待しているのであろうか? 

 ここが調剤薬局改革へスタートラインである。

 

  以下に、一般国民になり代わり調剤薬局の異常さと正常化へ向けての対策試案を記述する。これに対する異論、反論、もしくは賛意を寄せていただき、議論を深め、対応方針を定めたい。ご協力をお願いします。

 

1.国民が調剤薬局に求めている役割はどのようなものであろうか。 

その前に調剤薬局とはどう言う意味であろうか? 

 広辞苑によれば、調剤薬局は「市販の薬でなく、自家で調剤した薬を主として扱う薬局」であり、調剤は「薬を調合すること」となっている。現存する調剤薬局とは全く異にするものである。 

 調剤薬局で薬の調合をしているのを見た人は、ごく僅かであろう。調剤薬局は、処方箋に書かれた薬を受け取るところであり、一般国民は、早く、間違いなく、渡してくれることを望んでいるだけである。薬は、医師が診断して処方したものであり、その際に説明は受けている。再度、調剤薬局で同じことを聞くのは、余分で、無駄な行為である。 

 処方箋に書かれている薬を棚から取り出し、袋に入れるのに、特段の専門知識が必要であろうか?必要なのは、間違えないようにするダブルチェックのシステムの実行である。確かに約3,000成分、17,000銘柄の在庫管理は大変であろうが、この在庫管理、指定品の取り出しの倉庫システムは、IT化で格段の進歩がある。代表的なのは、アマゾンのシステムである。これと同等のシステムを利用すれば、調剤薬局の合理化は極限まで進むであろう。 

 すなわち、調剤薬局の役割を本来の姿に正し、このシステムを導入すれば、上記ア、イ、ウの目に余る問題は、完全に解消され、正常化する。(調剤薬局数、調剤技術料、薬剤師数の半減) 

この意見に対する異論、反論、または賛意をお寄せください。

  

2.お薬手帳の電子化と利活用 

 お薬手帳は、一般国民にとって薬の使用履歴を知りえる有益なツールである。また、受診するときに、他の医療機関でどのような薬を使用しているかを医師に正確に情報提供し、過剰投与を防げる優れた手帳である。 

 このお薬手帳を、電子化により、発展的に改良することを提案する。

 

 まず、現在のお薬手帳は、調剤薬局で発行するため、一人に対し2通以上発行されることが起こり得る。本来なら、個人ごとに1通である。 

また、薬の使用状況をチェックするのは、保険者の役割でもある。さらに、お薬手帳が紙である利点もあるが、患者、調剤薬局、医療機関、保険者が共有し、利活用するためには、情報の電子化が必須である。 

 これらを勘案すれば、お薬手帳をICカードにし、保険者が加入者ごとに発行し、調剤薬局が使用薬剤を記録し、その情報を患者、医療機関、保険者が共有し、相互利用するシステムに改良する。 

 このシステム導入に当っては、マイナンバーカードを被保険者証として活用するという政府の方針との整合性が課題となる。マイナンバーカードを被保険者証として利用するのであれば、そのカードにお薬手帳の役割を持たせるべきである。 

 この提案に対しても、異見、反論、または賛意をお寄せ下さい。 

 

3.課題ウに関しては、薬価問題として別途検討に委ねる。

 

ダウンロード
資料1~4
論座問題提起・調剤薬局・資料HP.docx
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